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Vol.2 新入会メンバーのご紹介


石原紳伍 様



この度、新しく東京クラシッククラブの株主会員となられ、馬主クラブにも愛馬を入厩いただき、家族でクラブライフを楽しんでいただいております石原様をご紹介させていただきます。

 

もともと大阪生まれの石原様は飲食店を営まれているご実家で育ちました。

石原様は大学時代ラグビー部におかれまして、同大学初の「学生コーチ」に任命され、伝統校の悪しき常識を次々と覆しチーム作りの改革を行い、前人未踏の9連覇に貢献されました。


その後、大手広告代理店に入社された石原様は新規顧客発注の営業ギネスが年間200軒であったところ、1300軒を達成。その成績をかわれて契約社員から幹部候補生となられましたが、社内の私設塾で本を読み漁るうちに「世のため人のためになることをしたい」と、起業の意思を固められました。


そんな時、プライベートで訪れたコロンビアへの旅で“ある風景”に出会われます。チョコレートに興味をもたれ、エクアドルやベトナムなどカカオの生産地を個人で周遊されていた頃、コロンビア中央部にあるマニサレスという街を訪れた際の風景です。

 

朝起きると街中がチョコレートの香りに包まれ、山間の高低差がある街で、カカオを積んで行き来するトラクターや、カカオを栽培する生産者たち、道端で楽しそうにチョコレートドリンクを飲む人たち。すべてが交わっているチョコレートのある日常に衝撃を受けられました。飲食業を営まれているご両親の背中をみていた地元での原体験が呼び起こされ、コロンビアで目の当たりにしたチョコレートのある豊かさを日本に伝え、この文化を日本で昇華させたいと起業を決意。鎌倉に独自のチョコレートブランド「ca ca o」(現MAISON CACAO)を創業されました。

 

商品開発と同時に進められたのが、コロンビアに学校を作るプロジェクトです。コロンビアはコカインの原料となるコカの葉が、全世界生産量の7割ほど栽培されると言われる麻薬大国で、カカオが育つ場所は、コカの葉がよく育つ場所でもあることから、石原様が最初に訪れた産地では子どもたちが十分な教育を受けられなかったり、家族やコミュニティの中で問題を抱えていたり、虐待や自閉症など厳しい実態があったそうです。

 

生産者と長くいいお付き合いができなければ、いいモノづくりはできないという信念の基彼らの教育環境や生活環境をどうつくるかを考え学校を作ることを決められました。

 

最初は30人だった生徒も今では700人近くまで増えており、生徒が増えるにつれて信頼を獲得され、今では2000を超える契約農家と固い絆を築かれています。

 

「世のため人のためになることをしたい」と起業された想いをコロンビアと日本で着実に実現されております。

 

「MAISON CACAO」は単なるチョコレート屋でおさまってはいけないと石原様は考えております。「Farm to Customer」をブランドバリューに掲げていらっしゃる通り、コロンビアの生産者から消費者の手にいたるまで、役割のバトンを繋いでいくことで、自然環境や社会背景をつなぐ切れ目のない連続的なストーリーを作り出され、チョコレート単体では見えることのない価値を作り出されてこられました。

 

石原様は、東京クラシッククラブの目に見えるゴルフや乗馬といったアクティビティだけではなく、取り巻く自然や里山環境に日々発見と驚きがあること、家族や仲間と共に過ごす時間や空間、すなわち東京クラシッククラブが目指す心の豊かさやアトモスフェアに価値を感じていただいているようです。東京クラシッククラブにこのように価値を感じていただいていることを大変うれしく思います。

 

先日、MAISON CACAO創業10周年を迎えられた石原様は「100年続く文化を作ること」を目標とされており、自然環境・生物多様性を守り、サステナビリティを考えることで、次の世代へと続くバトンを繋いでいくことができると考えていらっしゃるようです。「自然とともに暮らす喜びを知り、そこから環境問題を学び、持続可能な次世代のあり方を共に考える」という東京クラシックのビジョンに通ずるところがあると感じました。

 

石原様のお話をお伺いし、東京クラシッククラブのビジョンである「豊かな文化のあるべき姿を復興し、次世代へ志をつなぐ」を実現し、いまあるべき真のカントリークラブを目指してまいりたいと思います。

 





石原様、この度は当会報のためにご多忙の中インタビューのお時間をいただき、誠にありがとうございました。

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