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運営報告ならびに安定した運営収益基盤を確立するための施策について



 
ゴルフ部門の運営報告

来場者数について、2022年4月期30,912名を記録しましたが、コロナ禍におけるゴルフ活況ともいえる状況が落ち着き、2023年4月期29,181名、2024年4月期は26,723名と減少しております。週末には多くの予約をいただいておりますが、平日の月曜日、金曜日に予約が少ない傾向にあり、また雨や雪などの天候不良時の当日キャンセルが多くみられる状況です。


営業経費に関しまして、2022年4月期 623百万円、2023年4月期631百万円と増加傾向にあり、今期2024年4月期においては671百万円と、前年対比40百万円増となりました。2025年4月期は、物価高、人件費増の影響により742百万円を見込んでおります。


 
東京クラシッククラブが目指すべきところ

前回の「会報 Atmosphere vol.2 『運営報告と安定した運営収益基盤の確立について』」では、来場者数の落ち着きと営業経費の高騰が、当クラブの収益を下押しし、当初の利益計画を下回る可能性についてご報告させていただきました。


理事会や今年から再始動した委員会では、特にグローバルスタンダード委員会を中心に、委員の皆様の多大なご協力を得ながら建設的な議論を重ねてまいりました。また、メンバーの皆様とクラブ運営について情報共有化を深めるため、会報を発刊し、当クラブの運営状況や経営課題についても周知させていただきました。


東京クラシッククラブがどこを目指すかというビジョンにおいて、目指しているものは開業当初の2016年より一度も変わっておりません。


我々の目指す姿は、「国際基準の洗練されたプライベートクラブ」であり、これまで日本で実現されていなかった、ゴルフコースだけでなく乗馬やキャンプ宿泊施設などを併設した家族単位で帰属できる“真のカントリークラブ”です。この想いは開業当初から変わっておらず、これらを目指す運営スタイルの設計を行って参りました。


あえてクラブ名称を「ゴルフクラブ」ではなく、『東京クラシッククラブ』としておりますのもメンバーに対してのメッセージだと考えております。その結果、開場から8年が経過しましたが、対外的にも今まで日本には存在しなかった「国際基準の洗練されたプライベートクラブ」として一定の評価をいただけているものと自負しております。第三者機関の評価としては、2018年には世界基準のゴルフ場ランキングサイトであるTOP 100 GOLF COURSEのランキングで、Asian Top 100の31stに選ばれ、週刊ダイヤモンドのゴルフ場ランキングにて、プレーしてよかったゴルフ場の関東で昨年度は1位、今年は10位と高い評価をいただいております。引き続き、既成概念にとらわれず、我々の考えるあるべき姿を目指し、唯一無二のAtmosphereの創造に邁進したいと考えております。


運営会社である株式会社クラシックは、ミッションとして「クラシックにしかない最高級の品質とホスピタリティのあるサービスを提供し続けること」、「お客様の感動価値を継続的に発見する為の感性と知性を養い、個人の才能を最大限に伸ばすこと」を掲げております。「国際基準の洗練されたプライベートクラブ」を実現するためには、優秀な人材の確保が最も重要であり、人件費が高騰している環境下において、そのために必要な一定の資金を確保する必要があると考えております。


このたびグローバルスタンダード委員会から答申いただいた各種料金改定案を、臨時理事会で諮問し、メンバーにも通知を行いました。


 
安定収益基盤を確立するための改定案答申の経緯

改定案答申に至る、これまでの経緯は以下のとおりです。


2022年10月末、株式会社東京クラシックより物価上昇及び優秀な人材を確保するための人件費増に伴うコストアップが予想され、それを補うため、プレーフィーの改定を提示したが、メンバーへの情報共有や通知のプロセスに瑕疵があったと判断したため一旦取り下げた。

しかしながら、その後も物価は上昇し続け、当初提示していた年間1億円増のコストアップをさらに上回るコスト増が顕在化してきた。


2022年の提案以降、継続して会報の発行、各委員会の設置を通してメンバーに対するクラブの運営状況の共有を行うと共に、プレーフィー改定についても必要性をお伝えし、株主総会においても議論を重ね、理事会においても問題提起を行ってきた。


2024年より各委員会を再始動し、1月10日に第1回グローバルスタンダード委員会が開催された。当クラブは、会費を抑えながら現状維持でやっていくのか、国際基準の洗練されたプライベートクラブとなるよう、ナンバー1、オンリー1を目指していくのか、クラブの将来の方向性や目標を会社として明確に示す必要があることを確認した。

また、どういった姿を目指すにしても具体的な収益改善の選択肢が必要であるため、第2回の委員会にて、事務局より方向性の明示と、収益改善策の選択肢を示すこととした。


3月19日に第2回グローバルスタンダード委員会が開催され、事務局より収益改善施策の選択肢を提示した。会社が当クラブの目標とする姿を示し、そのために必要なコストを明確にした資料を作成し、当クラブが目的、方向性を共有することが必要との結論に達した。また、検討時の材料とするため、海外のプライベートクラブの運営方法や諸費用の水準について、事務局側でリサーチすることとなった。


5月14日に第3回グローバルスタンダード委員会が開催され、前回委員より明確にすべきとのご意見があった東京クラシッククラブのあるべき姿について、事務局より説明を行った。


また、参考事例として海外のプライベートクラブの運営方針や諸費用をまとめた資料を提示し、海外プライベートクラブ運営の基本は必要経費をメンバーの会費で補うこととなっていることを説明した。プライベートクラブはメンバーのものであり、「共益」なので、設備投資などはメンバーが支出することが基本であることをお伝えした。


さらに、事務局より必要コストの概算と内訳について説明した。

年間当たり、現在不足している1億円、コースへの追加の設備投資5千万円、優秀な人材を確保するための人件費1億円で計2億5千万円となる。また、巡航速度28,000人として試算しているが、来場者数25,000人となった場合、客単価2万円として、試算からはさらに6千万円の減収となることを説明した。


事務局より月会費、プレーフィーの改定に加え、入会金の改定の幾つかの案を提示した。当クラブは株主メンバー制度を採用しており、この制度下では、クラブ価値の向上が株主に還元されることから、メンバーの入退会がクラブの財政状態改善に寄与しない仕組みとなっている。このため、クラブの財政基盤を強化し、クラブ運営の自律的な永続性を確保するためには、安定的な運営収益を確保するとともに、メンバーの入退会に伴う入会金収益を確保することは、開業当初から必要不可欠な収入であるとの認識している。おかげさまで、当クラブは高い評価を得ており、これまでの需要から予測すると、今回の入会金改定を行っても、株価の棄損により株主様への不利益につながる状況とはならないと想定される。入会金改定により、長期的なバランスシートの改善となり、安定した財務基盤を得ることにつながると考えている。


これらの議論の結果、グローバルスタンダード委員会では、クラブとしてあるべき姿を実現するためには、年間2億5千万から3億円の経費が追加で必要であるとの認識で全会一致した。事務局より提示した様々な改定案や最適な組み合わせを比較検討した結果、グローバルスタンダード委員会として、来場者数、天候などに左右されない安定した収入を得ることができる月会費を2倍にすること、人件費や物価高の影響を受けているキャディフィーを1100円、カートフィーを2200円値上げする案、ならびに入会金改定案を理事会に答申することとした。プライベートクラブはメンバーのもので、コスト負担もメンバーが行うべきという観点から、キャディフィー一律1100円の値上げ以外のプレーフィーについては、ゲスト料金、ビジター料金を据え置くこととした。


なお、運営会社である株式会社 クラシックは、株式会社 東京クラシックより、①業務委託のインセンティブフィーとして、ゴルフ場運営に関わる営業利益(入会金収入を除く)に減価償却費を加算したものの30%を上限とした金額、②当初の開発投資コスト回収を目的として、東京クラシッククラブの入会金収入の40%、を業務委託費として収受してきた。

今回の料金改定により、メンバーにご負担増があることから、株式会社 クラシックは2023年下半期分より、株式会社 東京クラシックのバランスシートが改善し、ゴーイングコンサーンを確保するまでの一定期間、これらの業務委託費を受け取らないこととした。


5月29日に臨時理事会を招集し、理事会にこれまでの経緯報告と共に、グローバルスタンダード委員会からの答申を説明した。

理事会での諮問を経て、メンバーに対して、これまでの経緯の報告と各種料金改定案の通知を行った。


 
決定までの今後のスケジュール

2024年6月30日までメンバーからのご質問やご意見をヒアリングさせていただく期間を設けます。頂戴したご意見を踏まえ、株式会社東京クラシックの取締役会で事業判断を行い、最終的に、会社としての結論を出し、必要な事柄について株主総会で審議いたします。


6月7日(金) 

メンバーへ委員会答申のご案内


6月7日(金)~6月30日(日) 

メンバーからのご意見の収集・集約


7月4日(木) 

株式会社東京クラシック取締役会にて会社案を決定


7月10日(水)

株主総会招集通知発送


7月26日(金)

定時株主総会にて料金改定案を審議


メンバーの皆様におかれましては、東京クラシッククラブのバリューをこの機会にあらためて再認識いただき、メンバーとして誇りを持ち、さらに当クラブの価値を高めていけるよう、クラブを構築、維持、発展させていくにはどうすればいいのかという観点で、持続可能な運営収益基盤の確立のための施策についてご賛同いただけましたら幸いです。ご意見がございましたら、以下のアンケートサイトよりお知らせください。


 

「国際基準の洗練されたプライベートクラブ」を実現するためには、そこに集うメンバー個々が権利を享受するだけでなく義務を果たし、メンバーとしての洗練された立ち振る舞いがアトモスフェア(すなわち、豊かな環境、尊厳のある静寂、特別な空間)を創造していくことが必要です。そして、本当のアトモスフェアは、その場に集うソサエティーメンバー個々が感じ創り上げていくことが重要です。今後、あるべき姿を実現するための会則の見直しも検討しております。


「国際基準の洗練されたプライベートクラブ」を実現していくため、このたびの各種料金改定案についてご理解、ご協力をいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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