コース管理の仕事は、芝を綺麗に整えるだけでなく早朝から遅くまで多岐に渡ります。皆様に気持ちよくプレーをしてもらうために、ベストコンディションを目指して日々奮闘しているスーパーインテンダントの榮前田敏雄に話を聞きました。
--キャリアを聞かせてください
1993年に、小樽カントリー倶楽部でコース管理として勤務したのが始まりです。その後はオーシャンリンクス宮古島、本千葉カントリー倶楽部、榛名の森カントリークラブでグリーンキーパーの経験を経て、アコーディア・ゴルフに入社しました。2017年、2019年に成田ゴルフ倶楽部でPGAのチャンピオンズツアーが開催された時には、トーナメントコースマネージャーという重責を担い、貴重な経験をしました。
スーパーインテンダント 榮前田敏雄
--2021年に東京クラシックに入社されました
スーパーインテンダントとしてゴルフ場における、多岐にわたるコース管理の仕事を統括する責任者として勤務しています。今年で4年目になりますが、あっという間でした。最近になって仕事の流れができてきて、今が一番充実していると感じています。
--どんな時にやりがいを感じますか
自然相手ですので、芝が思うように育たないなど思い通りにならない事が多々あります。そんな時こそ、日々の仕事で磨いた力を駆使して乗り越えて、メンバーさんに満足してもらえた時はとても嬉しいですね。
--近年は、異常気象や気候変動などでご苦労も多いと思います
芝の管理はもちろんですが、むしろスタッフの健康やモチベーションを管理する仕事が最も重要です。大変な時こそ、スタッフがやりがいを感じて乗り越えてくれれば、レベルアップにつながります。
--東京クラシッククラブのコース管理について、現状と課題をエリア別に教えてください
グリーンのメンテナンスは全体の7割程度を占める、とても重要な業務です。USGAの規格に合った透水性の高い目砂に変更することで、透水性が向上しました。今年も4月、6月、10月の3回にわたりコア抜きエアレーション、播種(インターシディング)、目砂散布を行うことで、高温多湿の天候に対応したグリーンづくりを目指しています。
6番、8番、14番のティイングエリアは、3年前の拡幅と床土の入れ替え工事を行って以来経過は順調で、劇的に良好なティ面となっています。
当初は15mmの刈込だったフェアウェイは、排水不良個所を解消し、エアレーションと目土を実施することで、現在は12mm程度となっています。トップシーズンの6~9月は刈込頻度を週2~3回おこない、ハイクオリティなコースの目安である10mm以下を目標としていきます。
昨年の9月にナーセリーを造成したことで、フェスキューの美観を維持するための張替え作業が可能になりました。また、野芝やベントなどもコースと同じ環境で管理をしているため、トラブルがあった時に張替えができるようになりました。
--スタッフ管理が最も重要とおっしゃっていましたが、どのような状況ですか
近年、スタッフ不足が大きな課題でしたが、人材確保のため、給与単価や労働環境の見直しを実施してきました。その結果、正社員は20歳台から50歳台とバランスの良い年齢分布で15名体制となっています。半面、パートタイムは15名の目標に対して12名で、高齢化が進んでいるため、新規雇用の向上が課題となっています。
--今後の夢や目標を教えてください
東京クラシッククラブは世界基準のカントリークラブですので、コースメンテナンスもすべてが良くなければいけないですし、高いレベルが求められます。管理機械や資材などには適切なコストをかけているため、働いている環境はとても良いと感じます。今後は、色々なゴルフ場で学んできた知識を生かして、ゴルフ場を最初から造成する仕事に携わりたいですね。